
不動産管理会社の電話業務を棚卸ししてみた|実は電話の8割は定型業務だった?
不動産管理会社では、毎日数十件から数百件の電話対応が発生します。
「電話が鳴り続けて本来の業務が進まない」
「担当者しか対応できず、業務が属人化している」
「採用しても電話対応に追われてしまう」
このような悩みを抱えている管理会社は少なくありません。しかし実際に電話内容を分類してみると、多くの問い合わせが定型的な内容であることに気付きます。今回は不動産管理会社に寄せられる電話を棚卸しし、本当に人が対応すべき電話はどれくらいあるのかを考えてみます。
なぜ電話業務の棚卸しが必要なのか
電話対応が大変だと感じていても、実際にどのような内容の電話が何件来ているかを把握している会社は意外と多くありません。
電話の実態を把握しないまま、
・人員を増やす
・営業時間を延長する
・残業で対応する
といった対策を行っても根本解決にならないケースがあります。まずは電話内容を分類し、業務の実態を可視化することが重要です。
不動産管理会社によくある電話を分類してみる
修繕依頼
最も多い問い合わせのひとつが修繕依頼です。
例えば、
・エアコンが動かない
・お湯が出ない
・水漏れしている
・共用灯が切れている
・インターホンが鳴らない
といった内容です。管理会社としては状況確認が必要ですが、実際には確認項目がある程度決まっています。
例えば、
・いつから発生しているか
・部屋番号
・緊急性はあるか
・写真はあるか
などをヒアリングできれば、担当者への引き継ぎが可能です。つまり、一次受付は標準化しやすい業務といえます。
駐車場に関する問い合わせ
駐車場関連も頻繁に発生します。
主な内容は、
・空きはありますか
・月額料金はいくらですか
・契約したい
・解約したい
・来客用駐車場はありますか
などです。これらは管理システムや台帳を確認すれば回答できるケースが多く、担当者の専門判断が必要な場面はそれほど多くありません。
更新手続き
契約更新時期になると、
・更新料はいくらですか
・書類をなくしました
・更新の流れを教えてください
・更新しない場合はどうなりますか
といった問い合わせが増加します。更新業務は手順が定型化されているため、マニュアル化しやすい代表例です。
解約受付
解約に関する電話も一定数発生します。
主な問い合わせは、
・解約したい
・解約通知はいつまでですか
・違約金は発生しますか
・退去立会いは必要ですか
などです。多くの場合、契約内容を確認した上で案内するだけで済みます。担当者しか答えられないと思われがちですが、実際には一次対応で完結するケースも少なくありません。
空室確認
仲介会社からの電話で特に多いのが空室確認です。
・まだ募集していますか
・内見できますか
・条件交渉できますか
・申込みは入っていますか
といった問い合わせが日々発生します。繁忙期には同じ物件について何度も電話が入ることもあります。情報が最新で共有されていれば、定型的な回答で対応できるケースが大半です。
実は電話の多くが定型業務
ここまで見てきたように、
・修繕依頼
・駐車場問い合わせ
・更新手続き
・解約受付
・空室確認
といった電話は、一定のヒアリング項目と回答パターンが存在します。もちろんすべての電話が定型業務ではありません。クレーム対応やオーナー対応、トラブル対応など専門性が必要な案件もあります。
しかし日常的に発生する電話の多くは、
「内容を聞いて担当者へ引き継ぐ」
「決まった内容を案内する」
という業務です。つまり、電話が多い=専門業務が多い、ではないのです。
電話業務を見直すと本来の仕事に集中できる
管理会社の担当者が本来注力すべき業務は、
・オーナー対応
・入居率改善
・修繕提案
・資産価値向上
トラブル解決
といった付加価値の高い業務です。しかし、現実には電話対応に時間を奪われ、本来やるべき仕事に十分な時間を確保できていないケースが少なくありません。
まずは電話内容を分類し、
・何件あるのか
・誰が対応しているのか
・定型化できるのか
を可視化することが改善の第一歩になります。
まとめ|まずは電話の棚卸しから始めよう
電話が多くて困っている管理会社ほど、まずは電話内容を分類してみることをおすすめします。
実際に棚卸ししてみると、多くの問い合わせが定型的な内容であり、必ずしも担当者が直接対応する必要がないケースも見えてきます。
電話対応の実態を把握することで、人員増加以外の選択肢も見えてきます。
業務改善の第一歩は、「忙しい理由を感覚ではなく数字で把握すること」です。
ぜひ一度、自社の電話業務を棚卸ししてみてください。